やばい、バランス崩した……! 勢いよく知らない人にぶつかりそうになる。 そのときだった。 「……ったく、危ねぇな」 「……! ありがと」 目の前にいた悠斗がくいっとあたしの肩を抱いて、支えてくれた。 「持っとけ」 そして、そう言ってあたしに悠斗の鞄を掴ませてくれる。 ……優しい。 ——やっぱり好きだな、って思った。