「じゃあ聞くが、仮にだ。仮に悪魔を召喚したとして、その人間は何を叶えたいが為に召喚したんだ?」
「簡単な事です。もっとも単純で、もっとも恐ろしい願い……」

 え、えと、あの……岸本さんの顔がいきいきしすぎてて、逆にすごい恐いんですけど。

「なんだ、その願いって」
「『人間を滅ぼしてくれ』……と。もっとも単純で、間違えようのない契約です」
「……そこは笑うところか?」
「お好きにどうぞ」

 人間を滅ぼす――過去にそういった考えの方もいたと思いますが、誰にも出来なかった事は今の時代が証明していますよね。
 そもそも何故人間を滅ぼす必要があるのでしょうか……

「その契約と生島穣が胸を掻きむしった事と、一体どう関係があるというんだ」
 うーん、段々頭が痛くなってきましたよ。