「聡、入るぞ」
 二回ノックがあった後に扉が開く。俺の羽の色のように真っ暗な部屋に明かりがつき、ベッドの片隅で膝を抱えた聡坊の姿が写った。
 泣き声はずっと聞こえてたが、そんなとこにいやがったのか……

「ご飯食べないのか」
 聡は俯いたまま首を横に振った。
「お前の好きな鳥の唐揚げだぞ?」
 おいおい、曲がりなりにも鳥が近くにいるのに物騒な話すんじゃねぇよ。断っとくが俺は旨くねぇからな。
「いらない」
「お母さんも反省している。聡に謝りたいって言ってたぞ」
 あのヒス女が簡単に頭さげるタマかよ。聡坊、これは親父さんの罠だ。
 唾吐いてやれ、なんなら股間蹴り上げてもいいぞ?俺が許す。