「はたからみたら部外者かもしんないけど、俺はそれが嫌なんだよ。俺の大切な人なんだ。他のやつに取られるとか俺嫌だし。」



不謹慎だけど、すごく嬉しくて、自然と鼓動が早くなる。
醸太朗は、私のこと大切な人だって思ってくれてたんだ。
嬉しすぎてもーほんとにやばい。


「てかさ、好きな人こんなに泣かせて何がしたいわけ?好きなんだったら別の方法で振り向かせろよ」
「……っ!」


醸太朗の言葉に、相手は走って帰っていった。



「醸太朗、ありがとう」
「いえいえ。」


抱きしめているのをやめて、醸太朗は私の顔をじっと見た。



「え、なになに?」


すごく真剣な顔をしていると思ったら、急にほっぺをつままれた。


「いひゃいいひゃい!!」


それを見て満足そうに笑う醸太朗。
そして、醸太朗は言ってくれたんだ、昔から大好きなあの笑顔で。


「お前危なっかしいなぁ!これからも俺がついててやるよ!」


その言葉に、笑顔がこぼれた。



――――――やっぱり君は、私のヒーローだよ。