2018年  12月24日  

今朝はクリスマスイブだというのに、
寝起きは最悪







もはや夢だったのが現実なのか・・・
解らないレベルの悪夢に襲われたのだった



そして、





20年ぶりの記録的な大雪に見舞われ、
凍える寒さで目が覚めた










雪という
最高のイルミネーションがこの街に

「望みもしない少し早いクリスマスイヴ」
を大雪という形で届けてくれたのだ




 

















       
  ~プルルルルルルルルルルル!~
  ~只今呼び出しております 
  しばらくおまちくだ・・・・・
  ガチャ!~  









A君 「はい!?
   もしもし!? ん?・・・・ 
   ほう!ネズか!
   どうしたんだよ 珍しいなぁ」















    事情を説明する





A君 「はぁ? 
   突然連絡してきて一体なんだよ!
   アイツの住んでる場所なんて
    俺にはわからんよ」
   
          




  とりあえず通話を切る











   ~プルルルルルルルルルルル!~

   ~只今呼び出しており・・・・・
    ガチャ!















Bさん 「はーーいもしもし! 
   
    「ネズ・・・さん?」
 




   「え?そんな昔の頃の同級生・・・・
   本当にごめんね 
   彼女に関する噂なんて
   ウチには全く入って来てないよ」

  














俺はあれから
アイナの居場所を何とか聞き出そうと
中学時代の同級生に片っ端から連絡をした
  
 









 
 だが、









誰一人として
アイナの居場所を知っている人間は
居なかった














中には、




 「ウチ 実は
 アイナちゃんの事嫌いだったんだ 
 なんか我がままだし
 あと夢みがち?な女の子を演じちゃって 
 それで男に色気出してる感じ? 
 思い出しただけで嫌嫌..」





だったら・・・
あの当時アイナ本人に面と向かって言えよ

これだから人間は信用できない

 
 心の中でつぶやきながら、地元の町を歩く


















 前方から見覚えるのある顔が・・・
  

中学時代の同級生  

 「凉子マドレーヌ」さんである



























涼子「あら!?ネズ君!?
すごく久しぶりね! 

「最後に会ったのって・・・・
確か成人式よね!?」

「珍しいわね!   
ここら辺の町内なんて普段来ないでしょ?
ネズ君が住んでる地域は 
モアイ沼公園の方面だもんね」












俺 「そうっすね・・・
   涼子さん 変わらないですね」

涼子「そう?」

俺 「はい」

涼子「ネズ君ってさ、
いつからか人と話す時、
顔を見なくなったわよね」








    ・・・・・・・・・・・




俺は
涼子さんの言葉を無視して
聞かなかった事にし、逆に質問を切り返した









俺 「・・・ところで、涼子さん 

「アイナなんですけど・・・・」




「現在何処に住んでるか知りませんか?」












涼子「アイナ?」

俺「・・・はい」

涼子「うーーーん 
   てか私が知ってる訳ないでしょ!」

   

 何となく期待していた自分が情けない










涼子「アイナとは
中学卒業してから別々の高校だし、



「しかもあの娘」
「あれから一度も連絡よこさないのよ!」


俺「そうだったんですね・・・・」

涼子「しかも、
どこの高校に入学したのかも私は知らないし」

  


   それは俺も一緒だった 



俺 「何処の高校に通ってるの?
とアイナにメールで質問してみても、
 答えは一度も返ってこなかったんです」

涼子 「あ!ネズ君も一緒だったんだ! 

「ホント冷たいなぁ・・・と思ったわよ!

      
    ....

 

「まぁ いいわ! もう過去の事だし」


「でもどうして今になってアイナに? 

「まさか告白とか?

「・・・・プププ・・・・・・・・・笑」

      



俺「いや 違いますよ!」 
















 (事の経緯を説明した)
    














涼子 「ほうほう! なるほど! 

「そのリボンを、35歳になった今、
ようやく本人に渡そうと!」 





 「素晴らしいじゃない!」



俺は微妙な笑顔で返した



「だけど・・・・・ごめんね・・・」
「アイナの居場所 私は知らんし・・・・」

  


  










  俺と涼子さんは 数秒間沈黙した















涼子「そうだ! 

「アイナのお母さんが住んでるアパートなら
知ってるよ!」





俺 「え?!! 本当ですか!」

  まさかの涼子さんからの返答であった 



涼子「うんうん! 
アイナの事はもう知らんけど 
お母さんは今でもこの町に住んでるし、
今でも私遊びに行ったりするよ!」

俺 「へー....そうなんですか! 

「じゃぁ是非そのアパートに
今度連れていってくれませんか?!」






涼子 「おーけーー!いいよー!
じゃあ今から着いてきな!」

俺「え?今から?!」 



・・・・さすがに行動派な人だ





涼子「何でも出来る事は即行動! 
  
  「当然でしょ!」 

 
 凉子さんが乗っている車がある駐車場まで
 二人は足を運び出した














涼子 「昨日の夜から雪が凄かったでしょ? 
    もう大変!
    急いで冬タイヤに交換したわよ」




俺「自分で?」

涼子「うん。なにさ!?
  

  「てかさ?」

俺  「はい?」





涼子「アイナのリボンって
   結局何処にあったの?」





俺 「保健室のベッドの
   横の隙間に落ちていました」


涼子 「へー!そんな所に・・・・! 
   てかアナタよく見つけたわね!」

俺 「は・・・はい」 

 (確かに普通は
  そんな場所じっくり見ないよな・・・)


涼子「そんな所に落ちてるって事は、
当然アイナがそこで寝てたって事よね」





 涼子さんは雪が降る空を儚げに見上げた

涼子「あの娘、中3の秋頃から、
急に保健室で休む事が増えたわよね」

「私、実はアイナのああいう性格、
本当に嫌いなのよね」

「普段、踊りの事とか、
ファッションの事とか、
偉そうに
上から目線で・・・
好きじゃなかったわ」
 
     





 俺は唖然として言葉が出なかった



涼子 「だけど、受験シーズンに入って
己の限界を感じたんだろうね

「夢ばっかり見てたあのコは、
勉強なんてまともにしてなかったから・・・・
現実から逃げたのよね」

  
  確かに
  夢を追ってばかりの人間に対しては、
  俺も同じ感情を抱くと思う
  確かにアイナの場合、
  大きな夢は持っていたし、  
  ちょいと上から目線な感じもある
 
  だが、
  アイナは、
  
  中学入学時から
  勉強はちゃんとやっていた
  
  いや・・・・
  むしろ
  
  目の前にいる凉子さんよりも
  確か成績は上だったはずだ・・

  


  

  

凉子さんの軽自動車の前で
二人が足を止める

涼子さんが一生懸命 
雪で埋もれた
車のタイヤの周りの除雪を頑張っている





涼子「よし!
  車だったら2分くらいで着くわね」 
   
  「行きましょ!」
   



 涼子さんは、
 除雪に使った軽めのスコップを
 車内に放り投げ入れた
   
 凉子さんの車の助手席に乗ろうと
 ドアを開けた瞬間だった

  


 若くない女性の声が行動を遮った








謎の女性「あらまぁ ネズ君 
     久しぶりだねぇ」

   
 

  それは、

  アイナの母親  
  
  ロマンシアさんだった
















俺 「!!ロマンシアさん!!?」






ロマンシア「凉子ちゃん ごめんねぇ 

 実はネズ君に用があってねぇ 
 ちょいとお借りするよ 」






涼子 「え? あ・・・はい!」

   



 俺は、
 ロマンシアさんに手でおいでおいでをされ、
 そのまま連れられた  






俺 「ロマンシアさん 俺に用って?」

ロマンシア「実は話が聞きたいんだよ」

俺 「え?? 
   もしかして? アイナ・・・」  
 



 
  ロマンシア 「・・・うん」

         

    ~一同沈黙~






ロマンシア 「とりあえず、 
ネズ君に大事な話があるから 
アタシと一緒に来なさい」 
  
    「いいね?」




  「あと」
「凉子ちゃん!」

 「いつでもまた遊びに来なさいよね!」



 凉子「あ! はい!」

 俺は狐につままれた気分だったが
 アイナの母であるロマンシアさんの後を
 着いて行くしかなかった

 
  だが、
 


 20年の歳月が経ち、 
 アイナのお母さんの顔が見れた事
 そして声が聴けた事
 なにより元気そうであった事
 今だから言うが、俺は「安心」した。