今日も天気が良い


















こんな日は、

学園の校庭で
元気に鬼ごっこがしたいでござるなぁ

















そういえば、



校庭でドッジボールなんて
中学3年にもなると
さすがにやらなくなったよなぁ



 




















昼休みを終えた俺は
今日も保健室へと向かっていた











 


何故かって?
















それは、


















この物語の中心人物である





 「銀河アイナ」


を迎えに行く為だ







   



















                     


















































































間違いなく、アイツは今日も仮病発症中

















保健室のベッドは合計3つあるのだが、
いつも窓際ではない
一番手前のベッドで
アイナはいつも
ひっそり隠れるように休んでいるのである 


















御覧の通り
窓際のベッドはいつも空席中だ











そのぐらいこの学園では
アイナぐらいしか
保健室を利用している生徒はいないのだ
(立派な事だ) 



















俺と保健室の森先生の会話で
眠りから目覚めたアイナは
ベッドから飛び起きた



























アイナ「やっぱり来てくれたんだ! 

いつもアイナの事
心配してくれてるんだね!」














俺(それも一理あるが、
俺は保健委員だからな・・・)
 
(念のため言っておくが、
このアイナの似顔絵は
俺がPCで適当にペイントしたものだ
  察してくれ)


















アイナ「来週の日曜日
また駅前のデパートの屋上で
歌と踊りを披露するんだ!」



「今回は、自前の歌 
 にも挑戦するの!」

 
 







 


そう言うと、アイナは
深く深呼吸をした後
ニッカリ笑顔を作った

そして、いつもの
 「アイナ」の舞が始まった








アイナ 「ハイ!」



♪夏は人と触れたいね~♪
♪きっと笑顔も貰えるよ~♪
♪夏は人と 和みたい~♪







「ね!ネズ君も応援に来て・・・」 


 




 俺「何度言えば分るんだ!
   俺達はもう中3だぞ!

 




 「悪いが 俺は行けない!」







「夢って言葉は確かに響きは良いが、
 実現しなかった時のリスクを
 アイナは考えた事があるのか?」










「そういや
昔の歌でこんな歌詞があったよな」 











「~夢なんて見るもんじゃない 
 語るもんじゃない 
 叶えるものだから~♪」

     
   ・・・・ってな














そこに俺がさらに付け加えるとしたら、





「迷惑をかけずにだ!」

     
















アイナ「・・・」 

   「そうね・・」







「夢なんて見るもんでもないし 
語るもんでもない 
叶えるものでなくてもいい」












「ただ」





「生きている時間のスピードを
 速くしてくれるのよ」




そう 
モノレールに載ってる気分かな・・・







「別に叶わなくてもいいの」 







「自分の生きた証を残したいだけ!」
 






















    





    一同沈黙・・・

















アイナ「いや・・
    ちょっと体調悪くてさ・・
    ごめんね 
変なテンションになっちゃった」


   


  





 一同「・・・・まぁまぁ休もうか」
















 アイナはゆっくりな足取りで
 奥のベッドに戻る











俺「...ゆっくり休めよ!」
 

















俺は教室に戻ろうと
保健室のドアを開けたが、
多少の罪悪感からか
保健室のドアノブを握りしめたまま
その場で立ち止まってしまった





  








   



     ♪~♪~♪  







(奥のベッドから
遠慮がちな鼻歌が聞こえる)

   


 












  ~あなたと抱きしめた~♪

     















俺「アイナか・・・・?」    



     

  


♪~二人の愛を~
 小さなその愛で~♪
    



 





 ♪~アナタは雪の夜空に~♪      


        


  




  








 俺はその場で
ただ歌声を聴くしかなかった