翔【かける】視点
「なあ翔早く行くぞー!」
「わーってるって!」
高校2年に進級した俺は平凡な日々を送っていた。あの子に会うまでは。
「じゃ、またなー!」
そう言って友達と別れたのは病院の前。
「母さん、入るよ。」
「ええ。」
「具合はどう?」
そう聞きながら母さんにご飯を食べさせる。その時。
コンコン
「はい。」
「失礼します。今日から同じ部屋になる相宮結ちゃんです。」
そう看護師さんが説明すると彼女はペコっと頭を下げた。これが結との出会いだった。