堀さんが病室から出た後また静かな空間になった。 少し窓の外を見つめた。 そして近くの本の積み重なっているところに目を移した。 私は読みかけの本を手に取り、栞を挟んでいたところを開いた。 この本も何度読んだのだろうか、紙が黄ばんでところどころにシミやしわができていた。 この病室にある本も大体今手に持っている本と同じようなのだ。