会社を出ると、そこは真っ暗な闇で、携帯を見ると時刻は夜の11時を指していた。

「そんなに、携帯を見てどうした。彼氏からのメールでも待ってるのか?」

「か、彼氏なんて・・・居ません」

「そうか。」

何処かホッとしたように見えたのは気のせいなのだろう。

「まぁ、そうか。お前に彼氏なんて居る訳が無いもんな」

「なっ・・・!? し、仕事があるからなんです!出逢いが無いだけですから!」

口元に手を当てて笑っている先輩に怒鳴るように言い返すと、さらに面白そうに笑われた。