「佳奈さん!」

「ん?」

「好きっす。じゃあ」





1回というお出かけは、あれから何回かに増えていき

帰り際に”好き”と言われるのが習慣化してきた。







嬉しいけど。
素直に受け取ることができない。






知れば知るほど彼が純粋で真っ直ぐな人だと言うことが苦しくなってくる。






だから。






「もう、お出かけはいいかな。」

「え。俺、何かした?」

「ううん。ただ」





好きという気持ちが真っ直ぐすぎて、申し訳ない。

彼には惹かれるけど、好きか問われると悩んでしまう。






「翔平くんの気持ちに答えられない」

「なんだ。そんなのどうでもいいっすよ」

「え?」





あれ?これって勘違い的なやつかな。
自意識過剰すぎたのか。私






「俺、佳奈さんと一緒にいれるだけでいいっすから」

「ごめん」

「何謝ってんすか」

「だって」

「どんな理由でも、傍にいたい」





自分で言って自分で照れてる彼を可愛いと感じて少し胸が痛くなった。






「うわぁ。でも、心配」


「何が?」


「佳奈さん可愛いから。留学とか行かせるの無理」


「いや、それは」


「あ、俺もインドネシア行けば」


「それと、これとは違うから。」







自意識過剰にさせる彼の存在は私の中でも大きくなっている。








「そろそろ、デートしません?」







ただ、彼の言動に対する反応が難しい。