【小谷 佳奈】



1年生の大宮 紗代ちゃん。

可愛らしくて、愛嬌もあって、いい子。





でも、数日前から冷たく接しられている。

1年生の男の子から声を掛けられてからだ。






「先ぱーい。」

「あ、紗代ちゃん」

「これ、いります?」




彼女はよくお菓子を分けてくれた。

でも、良心じゃないと気づかされた。





私が口にすれば微かに笑う。







「残飯処理」





そう呼ばれてるのを聞いてしまったのは

昨日の話。





そして、今日。あの男の子が”好き”だと言ってくれた時、面と向かって言われた。





「太ってるから、女の子じゃない。」


残飯処理だ。

紗代ちゃんは、私に1番に懐いてくれた。だから、紗代ちゃんが”吉田 翔平”という男の子に惹かれてるのは少し知っていた。



でも、まさかその人が私に”好き”と言うなんて思わない。







「うわぁ、くっそー。」



翔平くんは、頭を抱えながらしゃがみ込んだ。
初め、怖い人だと思った。
茶髪で高身長でピアスもキラキラしてて、いかにも私とは関わらないであろう存在。



でも、今は真っ直ぐすぎる素直な可愛さが怖い。
免疫なんてないし、これも馬鹿にされてるんじゃないかって。






「私、そういうの。無理」





彼に彼の言葉を借りて言う。



もう、馬鹿にされたくないの。