解放された安心感から
私は涙を零した。
「依ちゃん。泣いてるの?」
龍弥君がそっと
私のほっぺに触れる。
龍弥君は私が仲良しの
翼と遊ぶようになる前にいつも公園で遊んでいた男の子だった。
そして龍弥君に私は
一度四年生の時に
告白されていた。
「龍弥君ありがとう」
「僕依ちゃんが好きって言ったじゃん。
泣いちゃ駄目だよ。
僕は依ちゃんの笑顔が
大好きなんだから」
龍弥はなんで私が
泣いているのか
わかっていなかった。
だけどただ隣にいて
私の手を握って
くれていた。
私は翼と二度と
会わないと心に決め
龍弥君の優しさを
身を持って体感していた。
