私は、わざと不機嫌そうに言った。

「何で、千葉行ったの。」

声があまりにも低くて、肩をビクッ、と揺らす。

「この大学で......コミュ障を...直そうと、お、思ったから...。」

「なんのために。」

「そ、れは......。」


そこまで言って、口を固く結ぶ。
あからさまに不機嫌にしている、という、脳からの命令のままにしていた私は、もういない。

「怒ってんの、分かる?」

「......分かる。」

「二章からずっと登場してなかったし、返事ももらえない上にいちゃいちゃしやがって...。」

ぶつぶつ言っている。

「お願い、メタいから止めて。」

「......で、なんのためにコミュ障を直そうと思ったの。」

「.....あ、あんたには関係無いでしょ。」

言い放って、倉庫を出ようとした。