別にそれはいい




私の娘であることには変わりないし、優梨の父親を恨んでる訳でもない




ただ、優梨が可哀想だなって思うばかりで...




「荻野さん?どうかされましたか?」



え、?




あ...私バカだ。こんなところで考えることじゃないはずなのに...




一華「あ、大宮先生、すみません、ぼーっとしてしまってて」




この人は大宮悟(oomiya satoru)先生




優梨の学級の担当をしてくれている先生だ




大宮「どうでしたか?求職の方は...?」




私は静かに首を振った




大宮「そうですか...


やはり復職するべきでは...」




私は元々医者になりたくてわざわざ東京の大学に進学した




だけど、医者になって2年



ようやく慣れてきたと思ったら優梨の事があって



この子を産んで育てるって決めた時に私は医者をやめた




この子には母親である私しかいないのにその私が滅多に家に帰って来れないなんて、そんな仕事するもんじゃないと思った