その少女、人間不信な文学少女につき

図書館。昨日と同じ場所に瀧音はいた。

「あら、『父帰る』があるわ。借りたと思っていたけれど、忘れていたのね」

「あの……」

悠喜は恐る恐る瀧音に声をかけた。

「っ、誰……!?」

瀧音は悠喜の方を向くと、一瞬嫌そうな顔をして、走り去ろうとした。

「待って、生徒手帳! 忘れ物!」

と声をかけると、瀧音は急いで振り返り、悠喜の手から半ば強引に生徒手帳を奪い取ると、凄いスピードで生徒手帳のページを繰っていった。一通り生徒手帳を確認すると、今度こそ帰る、と言わんばかりに体の向きを変えた。

「どうして、君は俺を避けるんだ?」

悠喜は咄嗟に瀧音の腕を掴み、問いかけた。

瀧音ははあ……、と溜息をつき、またも嫌そうな顔をして言った。

「信じられないのよ。人が。
………………これで分かったでしょ? 分かったならこれ以上私に関わらないで」

腕を振りほどき、数冊の本を抱えて行ってしまった。