小林悠喜(こばやしはるき)はその日、図書館にいた。
その図書館は地域でも蔵書数や本の種類が多いことで有名で、悠喜もそこに惹かれて学校の部活帰りにふらっと寄っていた。
「今日は…………、どの本がいいかな。
………………ん?」
悠喜はドサドサドサッ、と何かが落ちる音が聞こえた気がしたらしい。
「俺の気のせい?」
しかし、結構近くで聞こえたようだったから、音のした方へ足を運んだ。
音がしたのは五つほど後ろの棚だった。
悠喜と同じくらいの歳の制服の少女が、少女が落としたであろう本を一冊一冊拾い集めていた。
「て、手伝おうか?」
少女は肩をビクつかせて驚き、急いで悠喜の方を向いた。
「……結構よ」
少女はさっさと本を拾い集め、足早に行ってしまった。
「何だったんだ……? って、あれ。一冊忘れていってる。何これ……えっと、『父帰る』?」
悠喜は本を拾い上げ、この本が入っていたと思われる棚に本を戻した。
その図書館は地域でも蔵書数や本の種類が多いことで有名で、悠喜もそこに惹かれて学校の部活帰りにふらっと寄っていた。
「今日は…………、どの本がいいかな。
………………ん?」
悠喜はドサドサドサッ、と何かが落ちる音が聞こえた気がしたらしい。
「俺の気のせい?」
しかし、結構近くで聞こえたようだったから、音のした方へ足を運んだ。
音がしたのは五つほど後ろの棚だった。
悠喜と同じくらいの歳の制服の少女が、少女が落としたであろう本を一冊一冊拾い集めていた。
「て、手伝おうか?」
少女は肩をビクつかせて驚き、急いで悠喜の方を向いた。
「……結構よ」
少女はさっさと本を拾い集め、足早に行ってしまった。
「何だったんだ……? って、あれ。一冊忘れていってる。何これ……えっと、『父帰る』?」
悠喜は本を拾い上げ、この本が入っていたと思われる棚に本を戻した。