恋。たぶん、それは少し違う。

この感情はそれよりももっと冷めていて、そのくせ、深い。

あのきっかけの万葉集のような、たぎるような素朴な想い。これとそれとは違う。

自身についてうまく言葉にできないもどかしさを抱えたまま、ただただこれは恋ではないのだと、そればかり。



これは恋ではないのだ。

そう自身に言い聞かせる側から、彼の声はまたも私の心を焦がす。