小鳥のさえずり、羽の羽ばたく音ともに私は爽やかな朝を迎えた…はず……だった………。

ジリリリリッ ジリリリリッ

何故かベットの横でひたすらに鳴り続ける目覚まし時計を見た私は朝から女の子とは思えぬ叫び声を発した

「な、なんじゃこりゃゃー!!ゆかりねぇー!!」

私が何故こんな声を上げるか、だって?
朝の…9時だから……だよ……っ!!
学生の皆さんならよくお分かりになるでしょう!!
そう!学校に遅刻する事がっ…!!
確定しているのです!!!

音速で目覚ましを止め、ボルトも驚くスピードで支度を終えると、一階のリビングで悪気なくぼんやりとした犯人への苦情を叫ぼうとリビングの戸を開ける

「ゆ、ゆかりねぇ!!」

ぜぇ、ぜぇ、と息を切らしつつ、きっ、と目の前の元凶を涙目で睨みつける

「なぁに~どうしたのそんなに慌てて」

ぽやぽやとしたまま、私の大声に驚いた様子もなくのんびりとおはよ~、なんて返してきた


「学 校 !!!あんなに起こしてって頼んだじゃない!」

「?」

「もう朝なのよ!!
ああ、もう行かなきゃ。行ってきまーす!」

「しおりちゃーん朝ごはんはどうするのー」

「食べなくても平気よ」

バタバタと音を立て、詩織は走る

キーンコーンカーンコーン


はぁ…はぁ…はぁ…ゴホッゴホッ

つ、ついた…あぁ…


先生と思わしき人物に聞いてみると入学式は既に終わっていて、今は教室で自己紹介などの時間だと分かった

あ…足取りが途轍もなく重い…

ゴクリと唾を飲み込み深呼吸をして
教室のドアを軽くノックをした。

(おどおどする訳にもいかないわ)
そう思い不安をグッと堪えて
「おはようございます。遅刻してすみません」
と堂々と言い切った。