終業時間になると、更衣室で制服から着替える。隣で着替えていた山本さんが「負けないで」と声をかけてくれた。

「はい」
私はガッツポーズを決めて、戦いに向かう戦士さながらに、大股に会社をあとにした。

ビル一階のエントランスのソファで待っていると、颯爽と歩いていくる坂上さんが見えた。管理職は制服がないので、スーツ姿がビシっと決まっている。高いヒールをものともせず、堂々としていた。

ああ、やっぱりなんかもう、負けてる気がする。

私はいつも通り頬を叩いて、すくっと立ち上がる。それから「ありがとうございます」と頭を90度の角度え下げた。

「いいのいいの。飲みたかったし」
すごく気軽にそう言って、私たちは並んで歩き出した。

身長も私より10センチは高いく、すらっとしていて、姿勢がいい。姿勢がいいのは、私も負けてないけど!