放課後
いつも屋上にいると言っていたので
屋上に行ってみた

ガチャン

「一ノ瀬さん?いる?」

「おー、やっほー」

…相変わらずゆるいな

「また、空を見てたの?」

「うん」

今日は曇りだ
今にも雨が降りそう



どうしよう、気まずい

「そういえば、何で僕の名前知ってたの?」

ふと、思い浮かんだことを聞いてみた

「そりゃ、有名だもん
紳士な王子様がいるーって」

(そんな風に言われてるのか)

「一ノ瀬さんも有名じゃん
不思議な美少女って」

「あー、なんか男好きってやつでしょ」

(…言っちゃまずいかな?)

「気ぃ遣わなくていいよ」

「…何でそう言われてるの?」

少し顔が暗くなったように感じたのは気のせいかな

「…雨だ」

「帰ろっか」

(あ、傘ないや)

「一緒に入ってく?
家まで来なよ、タオル貸すから」

僕はありがたくついて行くことにした
(このお人好しが、男好きっていわれるのかなー)