(一ノ瀬六花ってねー、男好きなんだって)
(やだねぇー、ちょっと美人だからって)
(何考えてるか分かんないよねー)
彼女は目立つ。
誰もが目をひくような容姿はもちろん、
不思議なオーラを出しているのだ
そのせいで女子からは嫉妬され、
男子からは好機の目で見られる
あの日、すぐに雨が止んで
彼女は「止んじゃったー」と
呑気に帰っていった
…おかげで濡れずに済んだけど。
何で屋上にいたのか、
何をしていたのかはまだ
分からないままだった
(もしかしたら、いるかも)
好奇心だった。
ただ、あの笑顔の裏の本性を知りたかった
そう思って階段を登っていった