「…車どころか人も通らないね」
「そうだねぇ。助けを呼んでも、誰も来なさそう…」
「なんでこんな道通ってたのか謎だよ…」
諏訪くんとりとが、ああだこうだと言ってはため息を吐いていた。
私もそう思う。クリスマスなのに、維月さんと私はどうしてこんな場所にいたのか。
何か少しでも思い出せたのなら、という望みを抱いて来たはいいが、何の進展も変化もない。
マフラーに顔を埋め、そっと吐息をこぼした。
「(……りと、)」
りとは紫さんが行き先を告げずに出かけてしまったため、朝から元気がないのだ。
クリスマスなのに、と文句を言っていたが、それが理由ではないと思う。
なら何なのかと訊かれたら、明確には答えられないけれど…。
「柚羽チャン、どう?何か感じる?」
「感じる?って、お化けのスポットかよ…」
私を気遣ってくれたのか、諏訪くんがふんわりと笑顔を浮かべながら声を掛けてくれた。
私は首を横に振り、もう一度歩道橋の下へと視線を投げた。
何度眺めても、何も思い出せない。
「そうだねぇ。助けを呼んでも、誰も来なさそう…」
「なんでこんな道通ってたのか謎だよ…」
諏訪くんとりとが、ああだこうだと言ってはため息を吐いていた。
私もそう思う。クリスマスなのに、維月さんと私はどうしてこんな場所にいたのか。
何か少しでも思い出せたのなら、という望みを抱いて来たはいいが、何の進展も変化もない。
マフラーに顔を埋め、そっと吐息をこぼした。
「(……りと、)」
りとは紫さんが行き先を告げずに出かけてしまったため、朝から元気がないのだ。
クリスマスなのに、と文句を言っていたが、それが理由ではないと思う。
なら何なのかと訊かれたら、明確には答えられないけれど…。
「柚羽チャン、どう?何か感じる?」
「感じる?って、お化けのスポットかよ…」
私を気遣ってくれたのか、諏訪くんがふんわりと笑顔を浮かべながら声を掛けてくれた。
私は首を横に振り、もう一度歩道橋の下へと視線を投げた。
何度眺めても、何も思い出せない。


