〔今日もありがとね。
勉強教えてくれて。〕

週に1、2回は講義で分からなかった所をマークに教えてもらっているのだ。

「エミリ、ニホンゴデハナシスレバ?」

「そうだね」

KUIS8の英語エリアから、出たんだもんね。

〔ねぇ、今サッカー部の練習してるらしいから、一緒にグラウンドに行かない?〕

〔サッカー部?
私、興味ないんだけど……。〕

〔そんな事言わないで。
一緒に行こうよ!〕

近くに居た可愛い女性二人組の会話が聞こえてきた。

韓国語……。

〔〔すいません。〕〕

そういえば!

「マーク!!
私、韓国人の女性に韓国語でアジアン食堂の場所を教えてあげたの!!!」

「ツウジタノカ?」

「うん! ちゃんと通じたよ!!
マークのおかげだよ!!!」

マークからたまに韓国語を習っていたのだ。

「ありがとね!!!」

「オレモ…アリガトウ……。
エミリノオカゲデ、エイゴ、カンコクゴ、ニホンゴガダイスキニナッタ」

「私も、英語も韓国語も日本語も大好きになったよ」

〔……大好きだ。〕

〔マーク…。
今、韓国語で“大好きだ”って言ったよね?〕

「……ナニカイッタ?」

「ちょっと!!
今の私の韓国語、通じてたでしょ?」

「……カンコクゴ?」

「…私の韓国語は通じてなかったのね。
じゃあ、日本語で言うけど、“大好きだ”って言ったよね?」

〔……何?〕

〔じゃあ…今度は英語で。
“大好きだ”って言ったよね?
私の事だよね?〕

「エミリ…」


「私もマークの事大好き!!!
大好き!!!」