「……悠くん?」

「……美咲ちゃん?」

「久しぶりだね」

「この高校だったんだ」

「うん。実菜もいるよ」

「実菜も?高校も同じなんだ。
仲いいね。
実菜どこ?」

「さっき一緒にいたんだけど
人いっぱいで離れちゃって…
携帯、教室に忘れちゃって電話できなくて」

「そっか。
……ほんと久しぶりだね。
俺が転校して以来だね」



成瀬 悠くん。
私と実菜の、小学校の同級生。
5年生の時に転校してしまった。



「よくわかったね、俺のこと」

「あんまり変わってないから
わかったよ」

「変わってないかなー?」

「うん」

「美咲ちゃんも変わってないね」

「そんなことないよ」

「あ、実菜のこと一緒に捜す?」

「ありがとう」

「って言っても人多いよなー。
どうしよっか」





















「あっ!いたいたー!!
美咲捜したよー!先生連れて来た!」

「ごめんね。人混みで外に出ちゃって」

「実菜?」

「……悠くん?」

「久しぶり」

「えーっ!ほんとに悠くん?」

「ほんとにって何だよ。
実菜も変わってねーな」

「何それー」

「その人は?」

「音楽の先生。かっこいいでしょー?」

「うわ、先生好きなんだ」

「違うし。うわって何ー?
もういいもん。
先生、美咲、写真撮ろ!」

「悠くんも一緒に写真撮ろう」

「えーっ」

「久しぶりに会えたし撮ろうよ」

「ありがとう。美咲ちゃんは優しいね。
誰かと違って」

「ふーんだ」

「おじいちゃんに写真見せてあげるんでしょ。撮ろうよ」

「おじいちゃん来てないの?」

「実菜のおじいちゃん、具合悪くて来られないの」

「そうなんだ…。
実菜のおじいちゃんによくお菓子もらったな〜」

「そうだね」

「 写真撮ろうよ実菜。
おじいちゃんに見せてやってよ。
俺のこと覚えてるかなー」

「……うん」