「なっ、何すんだよ」

照れてクシャっと笑う花流

「ごめんね心配かけて」

「いや、もう少し早けりゃ花乃を守れたのに・・・」

そう言ってまた酷く傷ついた顔をする

「ううん、花流が来てくれて良かった」

ありがとうって笑顔を向けると漸く表情が緩んできた

「やっぱアイツ殴っといて良かった」

右手の拳を突き出す

「え?殴った・・・の?」

「あぁ、当然だろ」

「ダメだよ花流、相手に怪我でもさせたら・・・」

「じゃあ花乃はいいのか?花乃だって傷ついただろ?ココ」

作ったままの拳で胸をトントンと叩く

その気持ちが嬉しくて

「花流、ありがとう」

ここは素直になろうと思った

「しかし・・・なんで【はな】?」

クスッと笑った花流
笑われた意味も分からなくて目を見開く

「だって〜ホントの事言って良いのか分かんなくて・・・」

「いつも声かけられた時は偽名にしてんの?」

「一度も声なんかかけられたことないんだもん」

「え?」

今度は花流が驚いたように目を見開いた