「朝から人ん家の前で盛ってんじゃねぇ」
怒鳴り声が聞こえて慌てて身体を離すと
不機嫌オーラ全開の花流が立っていた
「あ、あ、あの・・・は、る?」
公道で朝から抱き合っているなんて
指摘されて当然過ぎて
言い訳すら頭に浮かばない私の隣で
「ありがとな、花流」
お礼を言ったのは柊で・・・
「おぅ」
満更でもない風に答えたのは花流
え?何?二人の顔を交互に見ながら
話しが読めなくて首を傾げる
そんな私に追い打ちをかけるように
「朝から良いもん見せてもらったわ」
花流の後ろからひょっこり現れたのは麻美
「え?」
展開が読めなさ過ぎて固まる私の視界に入ったのは
恋人繋ぎの麻美と花流
更に「え?」
もう一つついでに「え?」
「じゃあ、俺らコンビニ」
そう言ってこの輪の中から抜けた麻美と花流
えっと・・・
頭が働かないまま
自分の家なのに・・・
柊に手を引かれて「ただいま」なんて
ちゃんと声だけだして
これまた間取り知ってたの?
なんて突っ込む暇もない程自然に
二階の部屋へと入っていた