「……部活は?」



雄楽の右手に握られたスパイクを見た優季が、視線を雄楽へと持ち上げていく。



「休みますっ」



何の躊躇いもなく答えた雄楽の顔は真剣で、



聖梨一筋に必死になっている雄楽に、思わず目を細めた。



「さすが、聖梨の騎士サマ」




何やら含みのある笑みと発言に、渋い顔を浮かべる雄楽。



「まぁ。キミが行ったら喜ぶのは確かだから」



こう言って優季が、雄楽に聖梨の住所を告げた。







高月家の家政婦に通された部屋は、



ぬいぐるみと小物が可愛らしく飾られた女の子らしい部屋だった。



その部屋の真ん中で、



ベッドに横たわっていた聖梨が、ゆっくりと入り口の方へと視線を向けた。