手を伸ばして届く所には自分好みの可愛い洋服が沢山あるのに……、



ガラス越しに映る自分は男の子にしか見えない。




「っう……」



気がつけば瞳からは大粒の涙が零れ落ちていた……。



泣いたところで、自分の身長も顔も変わりやしない。




こんなとき程、自分の見た目と中身が釣り合ってくれないことにもどかしさを感じることはなかった……。




聖梨はキャップを目深に被り、袖でゴシゴシと涙を拭っていく。




こんな男の子みたいな自分が恋なんてしようってこと自体が間違いなのかもしれない……。



再び見上げたショーウィンドウに、聖梨は勢い良く後ろを振り返った。