「え〜本日はまことにご入学おめでとうございますえ〜……」
長いな〜。高校の校長先生もこんなに話長いんだ。暇だな…
優、優がいればよかったのに。中学のころは集会で隣だった優は、いきなり背中に文字書いてきたり、口パクで話してくれたり、優がいたら些細なことでも暇じゃなくなってた。楽しかった。また、思い出してきちゃったな…
「ねぇねぇ」
隣の女の子が小声で話しかけてきた。
「これいつ終わんの?」
「あ、私もずっと思ってた」
「長すぎっしょ〜」
「だよね」
「なんてな前なの?」
「えっと、平野紗良です」
「おっけぃ紗良ちんね、うちはほの、山下 穂乃果ほのって呼んで」
「わかったほのちゃんだね」
「ちゃんっていらない呼びすてでいいよ」
「あ、じゃあほので」
友達できたのかな。髪はロングで茶色くて少し化粧をしているような可愛い顔で、ギャルっぽいけど優しいほの。
「うちさクラス友達いなかったんだよね」
「私もはーちゃんしかいないよ」
「はーちゃん?」
「そう、中学同じだったの。すっごく優しいし、可愛いよ」
「なんだ、そうなんだ」
あれ?はーちゃんいるって言っちゃったの間違いだったかな…?
ほの黙っちゃった。何か言わなきゃ、
「ほの、明日でもはーちゃん紹介するね」
「うん、ありがと」