「はるくん……あの、もう……」


「ちょっと黙ってて」



その間もはるくんは私を離してくれない。


離れようとすると、余計に力を込められてしまう。



心配かけてしまったよね……。



「はるくん。ごめんね。助けてくれて、ありがとう……」


「……頼むから、あんまり心配かけないで」



はるくんの温もりに、涙が出そうになる。



やっぱりはるくんは、こうして助けに来てくれた。


いつだって、私を見つけてくれて、温かい場所をくれる。



だけど、いつかこの場所を手放さなければならない日が来るの?


この匂いも、温もりも、誰かのものになってしまうの?


きっとそう遠くはない未来。


私はそんな未来を受け入れることができるのだろうか……。



はるくんの背中に恐る恐る腕を回す。


それからギュッと服を掴んで、彼の胸に顔を埋めた。



はるくん、はるくん、はるくん。


好き。


大好き……。





きっと、きっと……。


その日が来たら、はるくんの幸せを心から祝えるように頑張るから。


笑顔で“おめでとう!”と言ってみせるから。





だからどうか、今だけは……





あなたの隣に────。