かくいう私は、この状況をどうしたらいいかわからず、はるくんの後ろでおろおろとしていた。



これじゃあ、話し合いどころじゃないよ〜!



「こういう所だよ。あんたの嫌いなとこ」


「え?」



はるくんと睨み合っていた古賀さんの鋭い視線が、いつの間にか私へと向けられていた。



「どういう関係だか知らないけど、あんたいっつもこうして尾上に守って貰ってんじゃん。この間のグループ決めの時といい、今といい」



古賀さんの言葉にドキッとする。



「言いたいことの一つくらい自分で言えないわけ?私、そうやって誰かに寄生して、甘えて生きてる人間、大っ嫌いなんだよね」


「……っ」



そうか……。


だから、古賀さんは、私が嫌いだったんだ……。



古賀さんの言う通り。


私は、はるくんの優しさに甘えてばかり。


頭のどこかでは、何かあればすぐにはるくんが飛んできてくれるって期待している。


昔から、いつもはるくんはそうしてくれた
から。


だけどそれは、同時に私が守られなきゃならないくらい弱い人間だということだ。


それに気づきながらも見て見ぬふりをして、自分を変えようともせずにこうしてはるくんに甘え続けている私は、ずるくて汚い人間だ。


そんな私を、古賀さんが見抜いているのだとしたら……


こんなの、古賀さんに嫌われて当然じゃないか。



「……結衣。気にしなくていいから」



黙り込む私の顔をはるくんが心配そうに覗き込んでくる。