肩にトンと重みを感じて顔を上げると、はるくんが心配そうな顔で私の肩に手を乗せていた。
私は“大丈夫”と口パクで言って笑って見せる。
「それに、あの井田。超キモイよね!もろオタクじゃん!いっつも、一人でニヤニヤしててマジキモイ。あんなヤツと同じグループとか拷問かよ」
八代さんと田口さんは顔を見合わせてギャハハと笑っている。
自分のことを言われているわけではないのに、何だかとても不快な気分だ。
ううん。自分のこと以上に嫌な気持ち。
「だからね?私達、みずきが可哀想になっちゃったの。優しいでしょ?謝ってくれたらこの間のこと、水に流したあげるって言ってるんだよ?私達、どれだけ寛大なのって話じゃない?」
古賀さんはじっと八代さんを見つめながら黙っている。
「うちのグループのもう一人の女子がさ、尾上くんのこと好きらしくて、代わってもいいって言ってんのよ。だから、あんな二人なんかと組まなくても私達と……」
「確かにそうだね」
古賀さんは八代さんの話を遮るように口を開く。
「確かに、あのグループになるとかほんと無理」
「でしょ!?じゃあ……」
「だけど、あんた達みたいに人をバカにしてばっかりいるヤツと組む方が、その何万倍も無理!」
八代さんと田口さんが目を見開いて固まる。
きっと私も、二人と同じ顔をしてる。
古賀さん……?



