一気に真っ赤に染まる私の顔を見て、はるくんは満足そうに笑う。



「俺に隠し事しようとしたお仕置き」


「お仕……置き……?」



熱を持った顔ではるくんを見上げると、はるくんは「何でもない」と言って優しく微笑み、私の頭をクシャッと撫でた。




「つか、古賀んとこ行かないの?」


「い、行くっ!でも、はるくんは……」


「俺も一緒に行く。安心しなよ。とっ捕まえたりしないから」



片方の口角を上げて、クスッと笑うはるくん。



……やっぱりはるくんは、何でもお見通しのようだ。












「いた……」



はるくんと一緒に体育館裏へと回り込むと、ようやく古賀さんを見つけることができた。


古賀さんは、体育館の壁を背に女子二人と何か話をしている。


見間違いでなければ、古賀さんの前に立つのは、以前教室で古賀さんともめていた二人だ。


確か同じクラスの……八代さんと田口さんだったっけ。



「まだ、出ていかない方がよさそうだな」


「そ、そうかな?」


「ただお喋りしてるってだけには見えないし。様子見た方がいいんじゃない」



確かにはるくんの言う通り。


古賀さんは面倒くさそうに顔を歪め、八代さんと田口さんは腕組みをし、古賀さんを見下ろしている。


何やらただならぬ雰囲気だ。