泣いている私を見たはるくんは、眉を吊り上げて『俺が話つけてやる!』って、突然走り出して。


走って行った先で、私に嫌がらせをしている男子を見つけると、風のような速さで掴みかかってこう言った。



『結衣を泣かせたら、絶対に俺が許さないっ!』



昔から滅多に顔色を変えないはるくんが、私のことで怒ってくれている姿に、


嬉しくて、嬉しくて、涙が止まらなかったんだっけ……。


はるくんは、そういう人。



あの時は男の子相手だったし、話す余地もないくらい嫌がらせに傷ついていたから、ああいう形ではるくんに頼ってしまったけれど、今回はちゃんと自分で解決しなくちゃ。


嫌われているなら、必ず理由があるはず。



それに、一緒にグループを組みたくない原因が私なら、私さえどうにかすれば古賀さんはグループに入ってくれるかもしれない。


いざとなったら、私が他のグループに行く事だって……。



「結衣?」


「あ!ご、ごめんね!ぼーっとしてた!それじゃあ、私行くね!」


「古賀なら、女子二人と体育館裏に行ったよ」



……え?



「はるくん……。何で……」


「結衣が一人でどうにかしようとしてるのなんて、バレバレだから」


「でもっ……」


「俺に心配かけないようにしようとしてんのも」