幼なじみとナイショの恋。


「コイツ、色んな子から声かかっても“無理”の一点張りでさ!健気に蒔田さんのポジション空けて待ってたんだぜ!」


「余計なこと言うな。バカ翔吾」


「だって、本当だろー?」



バツが悪そうに頭の後ろに手を当てているはるくん。


ほのかに頬が色付いている。


はるくんは私の視線に気が付くと「見んな」と言って、手で私の視界を塞いだ。



それじゃあはるくんは、たくさんの人達の誘いを断ってまで、私と組もうと考えてくれていたってこと……?


胸にじんわりと温かいものが広がってくる。



嬉しい……。


でも、はるくん厚木くん八木くんだよ……?


こんなクラスでも一際目立つメンバーの中に、私が仲間に入れてもらってもいいのだろうか……。


今も、何人かが私達のやり取りに気がついて、コソコソと耳打ちをし合っている。


きっと、なぜはるくんみたいな素敵な人が、私みたいなのに構うんだろうと思っているのだろう。


みんなは私とはるくんが幼馴染みだとは知らないし、当然だと思う。



こんな私なんかといたら、はるくん達の評価まで下がってしまうんじゃ……?


本当は私なんかより、他の人と組んだ方がいいに決まってる。



俯きかけたその時、ズシッと頭が重くなった。


驚いて顔を上げれば、はるくんが私の頭に手を置き、眉を寄せながら私を見下ろしていた。