幼なじみとナイショの恋。

ざわめき出す教室内では、すでに「一緒のグループになろうねー！」と生徒達が誘い合っている。


そんな中に、私が入っていけるわけもなく……。


後のことを思うと、ただただ憂鬱で仕方がなかった。










そして、5時間目のLHRの時間。



やっぱりこうなるよね……。



一緒のグループになりたい者同士で集まれと先生から指示があり、クラスがバッチリ何グループかに分かれる中で、私は見事に取り残されてしまっていた。


無事グループが成立し、おしゃべりを楽しんでいるみんなを横目に“どうしよう”という気持ちを抱えたまま佇むことしかできない。



よく見れば他にも二人、私と同じようにどこにも属していない人がいた。


一人は真っ黒のお下げ髪と大きな眼鏡がトレードマークの井田雪子【イダセツコ】さん。


井田さんはなんでも無類のアニメ好きらしく、いつも一人で可愛らしいアニメキャラクターのグッズを眺めている。


そしてもう一人は……


なんとあの古賀さんだ。


以前喧嘩していたお友達とまだ仲直りをしていないのか、古賀さん以外の二人は違う子達とグループを作ってしまっている。


つまり、私、井田さん、古賀さんの女子3人と、残った男子3人でグループを組めば全グループ成立なわけだけど……。


井田さんと古賀さんに声をかけるのは、なかなか勇気が必要だ……。