はるくんは、私に額をつけたままそっと目を閉じる。



「結衣がここにいてくれるだけで、俺は幸せ。だから、四の五の考えず、一生俺に愛されてて」



はるくん。


私、バカなのかな?


自惚れてるのかな?


何だか、これじゃまるで……。



「……プロポーズみたい……」



つい言葉が漏れてしまい、慌てて口を押さえれば、「言わないで」と言ってはるくんの顔がまた赤く染った。


そんなやり取りがおかしくて、同時にぷっと吹き出してしまう。




私、余計なことばかり考えすぎてたのかもしれないな。


答えなんて、いつだってたった一つしかなかったのに。



“はるくんと、ずっとずっと一緒にいたい”



ただそれだけだったのに。



今ならわかる。



私がこれからすべきこと。




「はるくん!私、はるくんとの秘密はもう終わりにする!!」


「え?」



そう。


終わりにするんだ。



「私、お母さんにはるくんと一緒にいることを認めてもらえるよう、説得してみる!!」



もう。


逃げるのは終わり。


今度は、キミへの想いを強さに変えて、キミとの未来を掴んでみせる番。



キミと、手を繋いで歩いていける未来を────。




はるくんは大きく目を見開くと、すぐに溶けそうな優しい笑みを浮かべ、力強く頷いてくれた。