どどどどうしよう!?
こんな状況初めてだ。
先輩は、何で私の連絡先なんか聞くんだろう?
ううっ。
どうするのが正解なのか全然かわからないよ。
別に、悪い人ではなさそうだし。先輩だし。はるくんと同じバスケ部だし。
連絡先くらい教えても、問題はないよ……ね?
断る方が失礼かもだし……。
「あの……えっと、連絡先は……」
慌ててショルダーバッグからスマホを取り出そうとすると……。
「先輩」
トン、と地面に着地する音がしたかと思えば、取り出したスマホが背後から伸びてきた手にさらわれていく。
「すいません。この子、俺のなんで」
見上げれば、私の肩に手を置き、ピッタリと私に体をくっつけたはるくんが、先輩に鋭い視線を向けていた。
「はるくん……」
先輩達は「な、なんだ、お前の彼女か。悪かったな」と言ってはるくんの肩をポンと叩き、そそくさと体育館へ戻っていく。
行っちゃった……。
その様子を見て、ホッと胸をなでおろす私。
ダメだな私。
やっぱりまだ、男の人からあんな風に話しかけられると、どうしても緊張してしまう。
上手く話せなくて、先輩達を嫌な気分にさせてしまったかも……。
だけど……。



