たった今、ぴょんとフェンスを降りてきた厚木くんに見つかってしまった。
「えー!?何で古賀さんがここにいるの!?もしかして、俺の練習を見に!?」
「は?んなわけないでしょ?頭沸いてんじゃないの?」
「くあーっ!久々に会ったってのにその毒舌!!でも、そんなとこも好きっ!!」
「……滑って頭打ちゃよかったのに……」
「古賀さん、それ死ねって言ってる!?」
相変わらずの二人のやり取りに、思わずあははと声を出して笑っていたら、厚木くんの視線が私へと向いて「ん?」と目を眇められてしまった。
あ、あれ?
「え?え!?まさか、蒔田さんっ!?!?」
厚木くんは、心底驚いたように目を見開く。
「う、うん。厚木くん久しぶりだね」
「うわー!うわー!蒔田さん久しぶり!一瞬誰だかわからなかったよ!!てか、蒔田さん、私服だと全然感じ変わるんだね!!めっちゃいいよっ!!」
「そ、そうかな?あ、ありがとう」
どうしよう。
すごく恥ずかしい……。
だけど、はるくんの親友の厚木くんに褒めてもらえたのは、ちょっと嬉しい。
はるくんにも、少しは見直してもらえればいいんだけどな……。
「おーーい!悠斗!!蒔田さん来てるぞー!見て見て!!めっちゃ可愛いんですけどーー!!」
「ひゃあ!!あ、厚木くんっ……!?」



