はるくんは、一体どこで登り方を覚えたんだろう?というくらいスイスイ登っていくとあっという間にフェンスの一番上まで到達してしまった。
はるくんの汗が、夏の太陽に反射して煌めく。
眩しさで目を細めた瞬間。
────あ。
トン、とまるで鳥が飛び立つようにフェンスから身軽に飛び下りるはるくん。
その姿は、まるで一枚の絵を切り抜いたかのように美しくて、フェンス越しにも関わらず、見とれてしまった。
あんなに高いところから……すごい……。
フェンスから人がいなくなった後、古賀さんと一緒にそっとフェンスの外から中を覗いた。
はるくん達はプールサイドで楽しそうに水遊びを始めているところだった。
ホースで水を掛け合ったり、服を着たままプールに飛び込んだり。
キラキラ舞う水しぶき。
塩素の匂い。
夏の太陽。
楽しそうな笑い声。
はるくんの……笑顔。
全部が、まるで夏の太陽みたいに眩しい。
この一瞬のこの光景を少しでも目に焼きつけたくて、瞬きさえするのを忘れてその光景に目が釘付けになってしまった。
古賀さんはそんな彼らを見て「男子って本当バカ」と呆れたように笑っている。
はるくんキラキラしてる。
眩しいなぁ……。
彼みたいな人に想いを伝えるなんて、本当におこがましいことなのかも。



