届かないんじゃない。


届けるんだ。


ありったけの勇気を振り絞って。


どんな柵も乗り越えて。



「……っありがとう!」



男の子は満足そうにもう一度笑うと、両親の元へと戻っていく。



小さな小さな男の子。


小さな小さな勇気をありがとう。



古賀さんを見ると、古賀さんも優しい笑みを浮かべながらその男の子を見つめていた。





逃げてちゃダメだ……。



大切な人にこの気持ちを伝えられなかった、古賀さんのためにも。


古賀さんのことを大切に思っていた、優さんのためにも。


背中を押してくれた、みんなのためにも。


そして、私のためにも。


例えはるくんとの未来がなくとも、伝えなくちゃいけない想いがある。




はるくん。ごめんね。


やっぱり、諦めるなんて無理みたいだ。


私は、はるくんが好き。


これからも、ずっと。


はるくんが、大好きです。