例えこの先、あなたと結ばれることはなくても。


あなたの側にいられなくなってしまっても。



私は一生あなたを────。




金属が擦れるような大きな音と共に、電車がホームへと滑り込んでくる。


電車が止まりドアが開くと、出てきた人達が私達二人を不思議そうに見ながら通り過ぎて行った。


そんなのも気にならないほど、一心にはるくんを見つめていれば、ふとはるくんの表情が和らいで「結衣、おいで」と私を呼んだ。


私は表情を和らげることなく、彼の言うことに応じる。


すると、はるくんが私の両手を取って、それから「怒ってるの?」と言って首を傾げてみせた。



「はるくんが、変なこと言うから……」


「うん。ごめんね」



電車が発車したホームは、再び人気がなくなり、静けさが戻っていた。


逸らしていた視線を戸惑いながらはるくんへと戻せば、はるくんがもの凄く優しい表情で私を見つめていてドキッとしてしまう。



「ごめん。ちょっと拗ねた」


「拗ねる……?」


「結衣が、八木と仲いいから」



「へ?」と素っ頓狂な声を出してしまった。


だって、それじゃあはるくんはまるで……。



「ヤキモチ……やいてたの?」



私ったら何を聞いているんだろう?


はるくんが私にヤキモチだなんて……。


そんなのあるわけないのに。