私がその手に自分の手を添えると、はるくんは力なく微笑んで、それから、ゆっくりとまぶたを閉じた。
それからはるくんは、30分くらい眠っていたと思う。
私はその間に、はるくんの額の汗を拭い、冷却シートを貼って、はるくんが起きたらすぐに喉を潤せるよう、枕元にスポーツドリンクをセットした。
それから、すぐにキッチンへと向かう。
キッチンで一通りの作業を終え戻って来たら、物音のせいかはるくんがベッドの上でモゾッと動いた。
「まだいたの……?」
「うん。ごめんね。起こしちゃったね」
「いや」と言って、ベッドから起き上がろうとするはるくん。
慌ててその体を支えたら、さっきよりもさらに熱い体温が伝わってきて驚いた。
熱が上がりきったのかな……?
「風邪、うつるよ?もう大丈夫だから帰りな」
そう言うはるくんにじとっと視線を向ける。
「なんだよ……」
「今回の件で、はるくんの“大丈夫”は信用ならないってことがよーくわかったよ!だから、はるくんがいくら大丈夫って言っても、私ははるくんの側にいる。私が安心できるまで帰らない」
私がそう告げると、はるくんは驚いたように目を見開いて、それからおもむろに溜息をついた。



