ん?
「はるくん……?」
まるで力を抜いているかのようなズシッとした重みに違和感を感じる。
それに、何だかはるくんの体がいやに熱い。
ううん!
すごく熱い!!!
「はるくんっ!?」
慌てて体を離すと、はるくんは真っ赤な顔で苦しそうに眉間にしわを寄せていた。
そのただならぬ様子に、サーッと血の気が引いていく。
はるくんの額に触れてみると。
……やっぱり。すごく熱い……。
「はるくん!ベッドまで歩ける?」
「……っ大丈夫だって……言ったのに」
「これのどこが大丈夫なの!?」
足取りのおぼつかないはるくんをベッドまで連れていき横たわらせる。
ベッドに体を預けたはるくんは腕を額に乗せ、息が荒く、本当に苦しそう。
はるくん、嘘ついたんだ……。
微熱なんて嘘。
大丈夫なんて嘘。
全部嘘。
「私……そんなに頼りない?」
「結衣……?」
はるくんの虚ろな目が私を見上げる。
はるくんに被せた毛布をぎゅっと握りしめれば、込み上げてくるもので視界が歪んだ。
「私になんて、甘えられない?こんなだから、頼りない?こんな時くらい、甘えて欲しかったよ……」
「……ごめん。泣くな」
はるくんの手が私の頬に添えられる。
その熱い手で、私の頬を優しくなでてくれる。



