これは……私も入っていいものなのかな……。


いや、でも“入って”って言ったのははるくんだし……。



スーパーの袋の持ち手を一度強く握りしめ、恐る恐るその部屋に足を踏み入れた。



わぁっ……!


はるくんの部屋だ!!



はるくんの部屋は、前に来た時とあまり変わっていなかった。


家具の配置は全てそのまま。


買い換えたものもほとんどなさそう。


ただ、以前は水色を基調としたまさに“子供部屋”という感じの部屋だったのに、今はネイビーでまとまった落ち着いた雰囲気の部屋になっている。



この香り懐かしい。


はるくんの香りだ……。



「結衣……」



掠れた声ではるくんに呼ばれはっとする。



懐かしんでる場合じゃなかった!!



「はるくん!具合は……」



“具合はどう?”そう言いかけて、私の体は固まった。


はるくんの大きな体が、私をすっぽりと包み込んだからだ。



「……っは、はるくん!?!?」



はるくんの返事はない。


離れようとする様子もない。



「あ、あの……あの……」



みるみる体温が上昇していく。


鼓動の速度も尋常じゃなくて、はるくんに伝わってしまうんじゃないかと気が気じゃない。



一体はるくんはどうしちゃったの!?



「はるくん……あのっ……」


「はぁ……っ」