「は、はるくんごめんね!!あのっ……必要かなって思ったもの買ってきたから!!ここ!ここに置いておくから!!じゃっ!!」
ここまで来た最大の目的は、はるくんの顔を見ることだったけど、もうこの際、ここまで来れただけでもよしとしよう!
こうして、水分や食料、その他諸々も渡すことができたわけだし!
取り敢えず安心!!
うん!!大丈夫!!
そそくさとその場を立ち去ろうとすれば。
「結衣!!」
ガチャッ!と勢いよく開いたドアから、はるくんが顔を出した。
「はるく……」
「……入って」
はるくんの家に来るのはいつぶりだろう?
小学生くらいの時はよくお母さん達の目を盗んで、こっそりお邪魔することがあった。
だけど、中学生にもなると男の子の部屋に入るっていう緊張感もあって……多分、はるくんも女子を家に上げるのに抵抗が出てきて、全くはるくんちを訪れることはなくなった。
だから、今日は本当に本当に久しぶり。
「お、お邪魔します」
玄関を上がり靴を揃えて、無言で前を歩くはるくんについていく。
はるくん、もしかして怒ってる?
やっぱり、迷惑だったかな?
はるくんの部屋の位置は以前来た時と変わっていなかった。
自分の部屋のドアノブを回すと、はるくんはスタスタと中に入っていく。



