うじうじうじうじ。
また古賀さんにそう言われてしまうかな。
本当は、自分でもこんな自分は嫌なんだ。
側に行きたい。だけど、行けない。
何か理由をつけては言い訳して。
こんなの、ただ意気地がないだけ。
何で自分の心なのに、こんなにも難しいんだろう?
そういう自分に直面するたびに、また自分が嫌いになっていく。
「あんたはそうやっていつも人の顔色ばっかり気にしてるけど、それなんか得があるわけ?」
怒っているでもなく、馬鹿にしているわけでもなく。静かな声で古賀さんはそう言う。
「相手の気持ちばっか優先するその癖がダメとは言わないけどさ。時には、相手に遠慮しないでとった行動の方が、相手の心を動かすことだってあるんだよ」
「遠慮……しないで……?」
「少なくとも、私はあんたの空気読めない物言いに、何度も心動かされたよ」
「古賀さん……」
“空気読めない”というところは多少気にかかったものの、まさか、古賀さんがそんなふうに思ってくれていたなんて……。
ジンと目頭が熱くなるのを感じながら古賀さんを見つめていれば「だからさっさと連絡しろ!!」とおでこをペチンと叩かれてしまった。
そっか……。
そうだよね。
相手にどう思われるかばかり気にしていたら、心のままに行動することが難しくなってしまう。
私は今、はるくんの側に行きたいんだ。



