はるくんはそうするだろうなって、何となくわかってはいたけど……。
実際にそうされると、何だかちょっとだけ寂しい。
こんな時なのにはるくんが甘えてくれないのは、きっと私が頼りないせいなんだ。
『写真』
「え?」
『ひっつきすぎじゃない?』
「っ!あれは厚木くんに言われて撮ったんだよ!」
『わかってる。でも、あれ見たらすげームカついて、なんか熱上がった気がする』
「……え?」
それって……?
『なんて。熱のせいで変なこと言ってんね、俺』
「う、ううん!」
『じゃあ、切るわ。授業中居眠りしないようにね』
「し、しないよ!はるくんじゃないもん!」
『ふ。言うじゃん。それじゃあね』
「うん……。お大事にね」
通話終了になったスマホ画面を確認すると、何だか急に寂しさが込み上げてきた。
今すぐ、はるくんのところに行きたい……。
何もできないかもしれないけど。
甘えてなんてもらえないかもしれないけど。
はるくんのいない学校は、いつもより何倍もつまらない場所に思えてしまって。
授業のことなんてもう頭の中に1ミリもなくて。
やっぱり私は、はるくんがいないとダメな人間なのだと、つくづく痛感させられてしまった。



