なわば強引に私達をくっつけようとする厚木くんに「蒔田さんごめんね」と眉尻を下げたじたじの様子の八木くん。
「う、ううん!大丈夫だよ!きっと厚木くん、何か考えがあるんだろうね」
そう言うと八木くんは「くだらないことじゃなきゃいいけど」と溜息をつく。
「ほら!早く肩を抱く!」
「はいはい。蒔田さんごめん、このままじゃ終わらなそうだから、失礼します」
遠慮がちに八木くんの手が肩に触れて……。
わぁ。
はるくん以外の男の子とこんなに距離が近いのは初めてかも……。
はるくんに触れられると、いつもドキドキ落ち着かないけど、これはこれで何だかそわそわして落ち着かないものだ。
「ハーイ!OKでーす!」
撮影が終わると、ワクワクした様子でスマホを確認している厚木くん。
「よし!送信……と!」
へ?送信??
「待って厚木。今の誰に送ったの?」
「ん?悠斗に決まってんじゃん」
「「え!?!?」」
な、何ではるくん!?!?
八木くんは額を押さえ「なるほど。やられた……」と項垂れているけど。
一体どういうことですか!?!?
動揺のあまり、口を金魚みたいにパクパクさせて固まっている私とは対象的に、厚木くんは、着信が来たのか手元で震えはじめるスマホを確認しながら「かかったな」としたり顔。



