「尾上の連絡先知ってるよね?厚木だから既読スルーなのかもしれないし、連絡してみたらいいんじゃないかな」
「こらっ!八木くん!それは一体どういう見解ですか!まるで俺が悠斗にうざがられてるみたいじゃないですか!」
プンスカと唇を尖らせている厚木くんに、「別にそういう意味じゃないよ」と苦笑いを浮かべる八木くん。
連絡……か。
そういえば、はるくんとメッセージでのやり取りって、あまりしたことがないかもしれない。
もしも、はるくんのお母さんが側にいたら……とか。
考えると気が引けてしまって。
「あ、ねぇ。俺いいこと思いついちゃった」
厚木くんがポンと手のひらを打つ。
「俺が絶対に既読スルーされない方法、一つあったわ」
私と八木くんの肩に手を乗せ、ニッコリと微笑む厚木くん。
私と八木くんは、同時に顔を見合わて首を傾げた。
「ハーイ!もっと寄って寄ってー!!」
「こ、こう?」
「違う違う!もっと仲良さげにこう!」
なぜか突然始まってしまった、厚木くんによる撮影会。
厚木くんは、私と八木くんのツーショットをスマホカメラでカシャカシャ撮っていく。
「それじゃあ、八木くん!蒔田さんの肩を抱いてみようか」
「へ!?」
「いい加減にしなよ厚木。蒔田さん困ってるよ」
「いいからさっさとやる!ほらっ!」
「ちょ……」